心経

般若心経です
「隅寺心経」と言われる、一連の世界最古の般若心経のうちの一枚です

奈良の海龍王寺は、都の隅にお寺があったので、隅寺と言われていました
その海龍王寺で書写された般若心経を「隅寺心経」と言って、50枚ほどが現存することが確認されていますが、その全てが重要文化財に指定されています
仏教はインドで始まった世界宗教ですが、「隅寺心経」が現存する世界最古の般若心経です

唯一、一連の「隅寺心経」で重要文化財に指定されていないのが、長保寺の「心経」です
申請すれば、重文でしょうかねぇ・・・
まあ、いまさら、なんのメリットもないし・・・

だいたい1300年前のものです
江戸時代に長保寺に寄進されました


凛とした天平の息吹を感じてください

般若心経  一巻
紙本墨書 縦26.0 横42.2
奈良後期(8世紀)


般若心経とは、般若経典群の精髄を説いた経典である。本品は褐麻紙に書かれており、淡墨で界線をめぐらしている。慈覚大師(円仁)筆という伝承があるが、「隅寺心経」と呼ばれる奈良・海竜王寺で奈良時代後期初めに書写された一連の般若心経(弘法大師筆という伝承も存在する)である可能性が強い。本文中に二箇所三文字について切貼の修正が施されているが、これは書写時期をそう降らない時期のものであろう。
なお、表紙や見返しの装飾・本紙裏打ちなどは江戸時代に行われたものである。宝物目録などによれば、貞享2年(1685)に、和歌山の林道拙なる人物が、長保寺に寄進したということである。



和歌山県立博物館「長保寺の仏画と経典」より

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